【マウスピース矯正】治療初期うまくいかない編
前回はマウスピース矯正が出来る歯医者を探しまくった話と、学生アルバイトがどうやって治療費をやりくりしたのか、というお話を書きました。
今回はさっそく、治療を始めたころの様子を記録していきたいと思います。
治療前期~インビザも医者も信用ならねえ~
2018年3月にいよいよマウスピースをつけ始めました。
私の治療方針としては、
・抜歯はしない(歯間を削ってスペースを作る)
・親知らず四本埋まってるのを全部抜く
・二週間交換で45枚のマウスピース(単純計算で1.7年で治療が終わる)
というのを最初に言われました。
担当の先生は、ちょっと厳しめな女性の先生。カウンセリングをしてくれた先生でした。
最初の検査でレントゲンを撮り、親知らずが上下左右に一本ずつ埋まっているのが分かったため、治療の途中で随時抜いていきましょうとのことでした。
ななめに埋まっているところの歯茎が時々腫れることがあったので、抜く機会ができてラッキー!と思いました。
検査ではマウスピースをつくるために歯をスキャンしました。粘土みたいなので型とるやつではなく、3Dスキャンみたいな、口内を器械で何周かなぞられると次第にモニターに自分の歯の形が浮かび上がってく、近未来な装置でした。
で、1~2週間後にまた歯医者に呼ばれ、3Dの治療計画みたいなのを見せられました。
何枚目の時にはここを削りこう動いていきます、みたいなのを色んな角度から見られるやつで、完成時の綺麗な歯並びを見て「本当にこんな綺麗になるのだろうか…」と疑っておりました。
そしてマウスピース生活がスタート。
「1枚目は動かす機能ありません。マウスピースに慣れるために、まずは二週間付けて過ごしてみてください」
とのこと。
正直、「二週間?!いや…動かす機能ないなら一週間でいいだろ…ただでさえ45枚あるのに…?」と不満を抱きながらも、まあ先生が言うなら仕方ないかと思い、スタートしました。
ここでまずひとつ、大きな疑問が。
私の歯並びは、右側(画像では左側)に八重歯があります。
で、もらったマウスピースをつけてみると…
ちょっとわかりづらいのですが、引っ込んでいる歯の部分のマウスピースが、明らかにフィットしていない。
その影響で、前歯も歯とマウスピースの間もパカパカと空いてしまっています。
汚い話ですが、この隙間からそりゃあ唾液やら水やらが入って溜まり、ちょっとした水槽が出来てしまったわけです。
しかし先生にも何も言われず、「しっかりチューイー(※)を噛んでいればハマってくるから」ということだったので、そのまま帰宅。
※チューイー
マウスピースをしっかりフィットさせるために噛む、ゴムの棒みたいなアイテムのこと。
噛めばハマるとかではなく、完全に歯から浮いた形でプラスチックが形成されておりますがそれは…と思いつつも、そういうものかもしれないので何も言えませんでした。
その浮いたところは当然唇の裏側に当たりまくって口内炎はできるし、とにかく滑舌が悪くなってしまったのが辛かったです。
当時接客のアルバイトをしていましたが、ただでさえマウスピースで喋ることに慣れていないのに、口内にプラスチックが当たって上手く喋れない。それどころか、この「水槽」から溜まった唾液が飛んでしまったり、浮いている部分は見た目もかなり目立つのでお客さんが説明を聞かずに私の口元を凝視していたりと、かなりストレスでした。
こんなことなら矯正しなきゃよかった…せめてワイヤーなら「矯正してるんだな」で済むのに、マウスピースなんて皆見慣れてないし、余計気持ち悪く見えるよな…
と、悲しくなりました。マウスピースをつけ始めた当初はまだアタッチメントが付いていなかったので、透明のデコボコもかなり目立ちました。これも汚い話ですが、唾液の泡が常に歯についている感じで、清潔感がまるでありませんでした。
マウスピース矯正が目立たないなんて嘘じゃん!八重歯の口元よりも、なんか清潔感なく見えるし…
と、怒りやら悲しみやらで泣いていました。
そして二週間後にアタッチメントをつけることに。
前歯にも奥歯にも、全部の歯にアタッチメントと呼ばれる突起が付きました。
この時、耐えきれずマウスピースの異常な浮きについて先生に相談したところ、
「まだアタッチメントを付けてないからね。これ付けたらカチッとハマるから」
とのこと。
いやいや…(笑)そういう問題ではないだろ…と思いましたが、先生が怖くて「作り直してほしい」と言えませんでした。
そしてアタッチメントを付けましたが、付けた瞬間からま~取れる取れる。
先生も「あれ~?」なんて言いながら何度も挑戦しますが、特に犬歯のところはまったく接着しませんでした。
先生も時間がなくなってしまったのか、「まあ、取れたらまた連絡してください」と言い残し、次の患者さんの対応へ。
マウスピースはNo1のまま二週間付けていましたが、「アタッチメントもつけたことだし、このままあと二週間、これ付けてくださいね」と。
いや…はぁ…?計一ヶ月も同じマウスピースを…?もう既に黄ばんできてるし、なんといってもこの異常な浮きとそれによってできる「水槽」とあと二週間も付き合わなければならないの…?
ちなみに数秒後待合室に戻った時にはもう両犬歯のアタッチメントが取れた状態でした。
もうこのあたりで精神はボロボロです。目立つし汚いしアタッチメントは取れるし、何より歯医者や先生への不満がすごく溜まっていました。
帰ってしばらくしてから、「アタッチメントが取れてしまったのですが…」と歯医者に電話を入れる。
「ほかの先生でもいいなら…」とのことだったので、もう今の先生の技術を信用していない私は、その別の先生に取れたアタッチメントを付けてもらうことにしました。
数日後に通院すると、若めの女性の先生で優しそうな雰囲気の方が担当してくれました。
やはり犬歯のアタッチメントは手こずっている様子でしたが、無事終わり。何か聞いておきたいこととかありますか?と聞かれたので、
「前歯のところが浮いているのと、アタッチメントが目立つのが気になるんですが…」と相談しました。
すると、
「そうだよね…。ここちょっと浮きすぎてるし、もし前歯の見た目気になるなら、前歯だけアタッチメントなしで治療することもできるよ。作り直したら?」
と言われました。
ええ…前歯のアタッチメントなしとかできるんだ…しかもやっぱり八重歯のところ浮きすぎだよね…?スキャンミスじゃん…そっちが悪いってことじゃん…。
もう絶望でした。「作り直したら?」じゃねえよ…。駄目だと思うなら、今作り直してくれよ…。
余談ですが、
私の治療プランでは最初に提示された金額に矯正関係の普段の診療費なども含まれているとのことだったので、毎回診療費は0円でした。
しかし、この時には再診料か何かが発生していて、それも私の神経を逆なでしました。
再診料は仕方ないのかもしれないですが、そもそもアタッチメントが付いてない状態で帰らせたのはそっちなのに、なんで私がわざわざ別日に出向いて金を払わなきゃなんねえんだ。と思いました。
怒りが収まらないまま帰宅。
この時点でマウスピースは動かす機能のないNo1のまま一か月を過ぎていました。
ちなみにその頃のツイートがこちら。
今までは歯並び悪いから笑う時とか口隠してたけど、今はアタッチメントが気になって変な笑い方になってしまう…。気にしてるのは自分だけなのかもしれないけど、相手に口元見られてるのを見たくなくて目合わせられない🤷
— コ@インビザライン (@invisa_co2) 2018年4月14日
矯正を始める前よりも、自分に自信がなくなってしまいました。
人と会うのも嫌になってしまって、大学とバイト以外で人と会うのを避けていました。
【閲覧注意】血まみれ治療と知らん人のマウスピース事件
そして数日後、歯間を削るために通院。
ここでも追い打ちをかけるように事件が…。
私は抜歯をしないで矯正したので、歯の間を少しずつ削ってスペースを作る治療をしていました。ちょっとしたすきっ歯にしてから、その空いたスペースを利用してぎゅうぎゅう状態だった歯を収めて並べていくイメージです。
この日は初めて歯間を削る日。先生はいつものちょっと怖い女性の先生です。もうこの頃には先生のことが嫌いでしたし、歯医者に行くのも憂鬱でした。
薄いアルミ板のようなものの両面がやすりになっていて、それを歯間に差し込んで擦ることで、歯の表面を削っていくというやり方です。削るのはほんの0.数ミリなので当然痛くはありません。
※この治療方法は知覚過敏の原因になったりするため、歯医者によっては推奨していないところもあります。
ここからは血の表現など苦手な方は飛ばしてください。要約すると、痛くないはずなのに泣くほど痛かったという話です。
余談ですが、このときアタッチメントを再診で付け直してもらったことに関して、担当の怖い先生に
「あの、アタッチメントは取れるものなんで、焦って電話してこなくていいですから…。通院少ないのがインビザラインの良さなので」
と言われてしまいました。
うざいと思われたんだろうか…。そんな言い方せんでも…。悲しかったです。
さて、いざアルミ板を歯に挟んでゴシゴシと削るんですが、
歯茎、切ってるって!!!!!歯削るのに必死かもしれんが、それはただ単に、歯茎を薄いアルミ板で切り刻んでるだけだって!!!!!!!
めちゃくちゃ痛かったです。
段々血の味がしてきて、ヒリヒリと痛む歯間の歯茎。
終わったと思ったら隣の歯…また違う歯茎が切り刻まれ続ける…
正直、まじでヤブ医者だと思いました。(失礼ですが)
健康な歯茎に傷をつけてるだけなんですもん。ただの拷問です。
やっと終了し、起き上がって口をゆすぐと、吐血したんか…?というくらい真っ赤な水が。
「顔拭きますか?」と助手の方にアルコールを含ませたコットンと鏡を渡され、顔を見てみると、面白いくらい顔中血まみれ…(笑)
人喰った?というくらいの汚れでした。「顔拭きますか?」じゃねえのよ。異常だと思わんのか??
そして恒例の、
「じゃあ歯間削ったので、あと10日はNo1のままで!帰りにNo2~10まで渡しますね。」
結局、動かす機能のないNo1を1か月と10日装着することになりました。
初めて他のマウスピースを渡され、ヒリヒリする歯茎に耐えながら帰宅。
私がマウスピース矯正を始めた当初はこの原始的な歯間削りしかなかったのですが、治療後期には電動になっていました!
先生も途中で変わったので何とも言えませんが、電動は痛みもなくまったくストレスなく歯間削ってもらえました!
先生によっても歯医者によっても違うし、そもそも血まみれになるのはおかしいので、マウスピース矯正を検討している方は話半分にお聞きくださいね…(怖がらせてすいません)
そして、持ち帰ったマウスピースを確認したところ、またまた事件が。
「え…これ誰のマウスピース…??」
No5のマウスピースの中身が、明らかに私の歯型とは違うのです。
袋の名前はちゃんと私の名前になっているのに、中身だけが明らかに違う。
ガチャガチャ八重歯はなく、きれ~~に整列した歯並びのマウスピース。歯の大きさも私とは違います。
あと、マウスピースには奥歯の部分に個人番号?のようなものが書いてあるのですが、そこの番号も他の私のマウスピースと違いました。
再びすぐに歯医者に電話。
また鬱陶しがられる…と思いながらも、このままにするわけにもいかないので電話しました。
歯医者側もそんなことは今までなかったようで、何度説明しても上手く伝わらない。犬歯のアタッチメントが相変わらず取れていたのもあり、結局数日後にNo5を持っていくことに。
持って行ったところ、先生はもう最初から呆れた感じで向かってきました。
しかし私も確固たる証拠があるので、ここは強気に。
「これです!明らかに形が私の歯とは違います」
「○○さん、あのね、インビザラインっていうのは一枚ずつ形が違うんだよ?」
「いや…えっこれ私の歯にハマると思いますか?書いてある番号も違うので、絶対に違うと思うんですけど…」
「…番号が違うって何~?」
完全になめられてると思いました。私の歯を見ればこれが違う人のものということぐらい分かることなのに、見もしないで「一枚ずつ違うんだよ?」と当り前のことを言われたことがうざくてしょうがなかったです。
未成年だからって適当にあしらおうとしているんだろうなと思いました。
助手の方も一緒に確認してくれて、「あ~確かに違うかも…」みたいな雰囲気が徐々に漂ってきました。
院長先生など、その日居た先生が何人も集まってきてザワザワし始める。こんなことは滅多にないらしい。
院内騒然となり、やっと担当の怖い先生も認めてくれました。あの時は本ッ当にスカッとしたな~!!
結局、取り寄せ直しかなんかで、無事に自分のNo5は手に入りました。
事件を踏まえて、インビザラインを検討している方にお伝えしたいこと
私はたまたま他の人のマウスピースが混入しているという珍しいケースでしたが、インビザラインは海外製なこともあり、結構ルーズというか荒いところがあったりします。
バリ(マウスピースのふち)のヤスリがけが甘くて痛かったり、形が歪んでいたりは結構よくあります。
一週間で交換するとはいえ、毎日装着するものなのでそういうのがストレスになったりします。
よく言われているデメリットの他にも、こういうちょっとしたストレスもあるということを知って頂きたいです。
まあ私はそれでもマウスピース矯正をおすすめしますけどね!笑
まとめ
今回は治療を始めたころの話を書きました。
- 八重歯のところが浮いていて「水槽」になるクソスキャンのマウスピースを渡されてしまった
- 動かす機能のない、ただ喋り辛いだけのマウスピースを計1か月と10日つけることになった
- アタッチメントが付きづらく、先生との関係も悪化。なめられ始める
- 歯間削りがただの拷問
- しょっぱなから知らん人のマウスピース入っている稀有な事件発生
といったところでしょうか。
今思いだしても、この頃はしんどかったな~と思います。
特に見た目が汚かったのは精神的につらかったです。今みたいにマスクで隠すこともできないので。
書いてて思ったのは、ちゃんとお医者さんに相談したりした方がいいし、先生とそういう関係性を築くべき、ということですね。
マウスピース矯正を検討している方に少しでも参考になれば嬉しいです!